足羽俊夫(1931-2017)

パリから足羽さんの訃報が届いた。 足羽さんといっても、ぼくの周囲では、知っている人はほとんどいないだろう。鳥取県・日南町の出身。独学で絵を学び、1961年に渡仏してパリ美術学校(ボザール)に入学。石版画で頭角を現し、1964年卒業後、日本人として初…

「オーディエンス」はだれか。

札幌でボーダー・ヒストリーのカンファがあり、オーディエンスとして参加してきた。シュテファン・バーガー、クリス・ローレンツ、イム・ジヒョン、テッサ・モリス=スズキなど、そうそうたるゲストを海外から招き、また日本、韓国、アメリカ、香港、中国な…

梅雨、続く。

空梅雨かと思われていた今年の仙台の梅雨、ここのところ梅雨らしくなり、それとともに、梅雨明けがいつになるか「?」状態と化してきた。そんななか、あいかわらず戦後モンペリエ都市史に関連する研究文献を読みふける毎日をすごしている。 昨年末に、このテ…

本郷へ。

本郷に行くときは、なるべく上野で新幹線をおりて歩いてゆくようにしている。昨日もそうした。地下深くの新幹線ホームから、いまでは利用者が少なくなったためガランとした感のある新幹線地下コンコースを通り、古き良き時代を偲ばせる不忍口に出る。ガード…

長い二日酔いの時代に。

さきほど「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」通称共謀罪法が成立した。内容、審議過程、採決方法、採決方法採用の動機、どれをとっても「不明」の一言に尽き、くらくらしてくる。まるで二日酔いのときみたいだ。 …

ソウルの思ひ出

先週の今頃はソウルで過ごしていたのだが、ということは、つまり、あれから一週間たってしまったということである。なんでこんなに時がたつのが早くなってしまったのだろうか……って、それは加計学園問題から目が離せないからである(半分ホント)。 さて、そ…

こんな日が来るとは。

第8回東アジア・スラブ&ユーラシア研究学会にセッションのコメンテータとして参加するため、昨日からソウルに来ている。今朝は6時ころから朝食を買いがてら30分ほどホテル(カンナム地区)の周辺を散歩したが、からっとした好天で、気持ちの良い一日になり…

レ・ミゼラブル(新プロダクション)

週末は、横浜はみなとみらいで元教え子(ゼミ生)の披露宴。新郎新婦は小中(高校は別だったらしいが)大の同級生ということで、ほのぼのとした良い雰囲気の披露宴だった。写真が披露宴の光景だが、主菜は子羊のクスクスだった……というのは(もちろん)冗談…

日本西洋史学会報告⑤

第5試合 谷口良生「フランス第三共和政前期(1870-1914年)における地方議会と議員の経歴―ブーシュ=デュ=ローヌ県議会を中心に―」 そろそろ記憶が(いろいろな意味で)怪しくなってきたが、たしか上記タイトルとは異なり、第三共和政前期(第一次世界大戦…

日本西洋史学会報告④

第4試合 湯浅翔馬「フランス第三共和政初期のボナパルト派におけるヴィクトル派の形成と展開 1879-1885」 ボナパルト派の我が世の春といえば、なんたって第二帝政とナポレオン3世である……が、1870年の独仏戦争で敗北し、ナポレオン3世が退位し、第二帝政が崩…

日本西洋史学会報告③

【追記】 ギャップにも国鉄が走っていた。ごめん、ギャップ。 【本文】 第3試合 藤原翔太「ナポレオン体制期における地方統治システムの転換―名望家時代の揺籃―」 フランスの中でも1、2を争う弩マイナーな県(失礼!!)オート・ピレネーを対象とし、フランス…

日本西洋史学会報告②

第2試合 野口理恵「女子修道会による保育施設の運営と世俗化―19世紀パリにおける福祉と教育の狭間―」 フランス革命期から20世紀はじめ(1905政教分離法)までのフランスが、カトリック教会支持派と、脱宗教化支持派(世俗派、共和派とニアリーイコール)のあ…

日本西洋史学会報告①

先週末(5月20-21日)は「界、年に一度の大同窓」の略語と化しつつある日本西洋史学会が一橋大学で開催され、20日(土)午後の公開講演(藤田幸一郎さんと見市雅俊さん)と21日(日)午前の部会別自由論題報告(個人発表)を聞いてきた。その間に3回のアルコ…

北方謙三『三国志』

新聞かなにかで紹介されていたせいで、いまごろになって北方謙三『三国志』(角川春樹事務所、全13巻、1996-98) を大人買いし、一気読みしてしまった。一冊2時間としても、26時間を費やしたことになる。 そして、26時間費やした結果として記憶に残ったのは…

連休明ける。

そんなわけで連休も明け、「いつもの日々」が戻ってきた……が、寒暖の差が激しいところに黄砂の影響も重なり、周囲では体調を崩している人が多い。一昨日は、宮城県にインフル注意報が再発令された。5月にインフル注意報とは……時代は変わるものである。 しか…

フランス大統領選挙

[:W640:left] フランス大統領選挙の第二次投票は、予想どおりマクロンが勝利した。マクロンは、社会党右派であるオランドをもうちょっと経済的リベラリズムすなわちグローバリズムの方に寄せたような政策を遂行するだろうから、大きな変化は生じないだろう。…

岡部造史『フランス第三共和政期の子どもと社会』(昭和堂、2017)

岡部さんとはじめてお会いしたのは、1997年に北海道大学で開かれた日本西洋史学会大会のときだったと思う。おお、すでに20年前か……まこと光陰矢の如し。ぼくの髪も減るわけである。同大会で岡部さんが報告することになり、ぼくが司会に指名されたのだった。 …

連休。

ゴールデンウィークも明日で終わり。ノンビリした……というか、なにをするでもなく過ごした気がする今年の連休である。今日は曇りがちの仙台だが、キャンパス(写真)では木々の緑がまぶしい。ふと考えると、去年の今頃は、突如としてとびこんできたカンファ…

ひと段落。

今日、小田中直樹・帆刈浩之編『世界史/いま、ここから』(山川出版社、2017)が刊行された。 オーソドックスな通史の形態ではあるが、 ヒトとモノの移動、環境と科学技術、宗教、という3つのポイントに重点を置いて叙述するという潔さ(当社比)。 19世紀…

おしごと、おしごと。

【追記・5月1日】 さらにさらにミスが指摘された。お恥ずかしい。正誤表ver.3はこちら[PDF format]。 【追記・4月19日】 さらにミスが指摘された。お恥ずかしい。 【追記】 『ライブ・経済史入門』に早くもミス発見。うーむ、慣れぬことはするもんじゃない……

田中拓道『福祉政治史』(勁草書房、2017)

福祉国家に関心のある諸君に告ぐ。読め、されば目からウロコが落ちん。

悲喜こもごも

あっというまに二週間がすぎ、明日は帰国である。 しかし、明日は台風並みの低気圧がフランスを直撃することが予想されており、おまけに、冬のバカンスが明日から始まり、ということは当然国鉄労働者が(イヤがらせで、というか、ポリティカリー・コレクトな…

フランス大統領選挙・左派予備選挙第二次投票

【訂正】 メランションとアモンの支持率の順番、逆だった。訂正。 【追記】 現在21時。予想どおり、約60%の得票率でアモンが勝利。さて、どうなる、大統領選挙? ちなみに、われらが日本は? 【本題】 モンペリエに来て一週間、ということは、半分すぎてし…

謹賀新年 from CDG

2週間の予定でモンペリエ・ニームでリサーチするべく、CDGに到着したところである。例によってCDG地下の国鉄駅コンコースにある安カフェでビールを飲みながら、フランス到着を祝っている。 しかし日本は景気がいいのか羽田・パリのフライトは満員で、久しぶ…

仕事納め、仕事始め

知命をこえると、一年なんてあっという間に経つということが、心から実感できるようになる。 2016年は、われらが参議院選挙、ブレクシット、トランプ勝利……などなど、さまざまな事態が生じた。参議院選挙には(直後は「改憲勢力2/3阻止成功!!」だったはずな…

Keon Buyens (1969-2016)

来春、3年に一度のカンファレンスがルーヴェン(Leuven、ベルギー)であり、出かける準備を始めるうちに「そういえば、クーンはどうしているだろうか」と思い、コンタクトをしようとしたころ、9月に亡くなっていたことを知った。彼が住んでいるリール(Lier…

燃え尽き症候群

あっという間に晩秋というか初冬の仙台。 10月は、もう「燃え尽き症候群」としか言いようがない日々であった。肩から首にかけてバリバリのガチガチで、上半身がストレートジャケット状態ゆえ、対向者をヒョイヒョイと避けることができない。そのため、相手と…

リフレッシュ、できないままに、新学期(五・七・五)。

10月である。 新学期である。 二年ぶりの学部「経済学史」講義のときである。 リフレッシュ期間であるはずの夏休みは滞仏と執筆で終わり、空気は秋。 それにしても、経済史教科書の執筆をはじめとする債務返済のため、ここ一年半ばかり、かなり煮詰った日々…

次著執筆進捗状況報告

【9月24日】 というわけで、約40日間で四百字400枚のラフを書きあげた。おお、やれば出来るじゃん、自分。お祝いに、明日は一日オフにして、推敲は月曜日からということにしようか。 【2016年8月20日・前口上】 地中海性気候のさわやかなるモンペリエ・ニー…

先は長い。

7:15モンペリエ発の各駅停車に乗り、8時ちょうどにニーム市文書館。11:30まで備え付けのパソコンで資料目録からデータをおとし、古本屋でニーム関係の本を買って、あとは宿で資料リストを作成するべくモンペリエに戻るだけである。 駅に着くと、乗る予定の各…

団結は力なり。

イスラム教原理主義者のテロが止まらないここフランスであるが、7月もニースでトラックの暴走、ルーアン近郊で教会立てこもりと、人命が失われる事件が相次いでいる。それでは現地の雰囲気はどうか?、というと、 それなりにピリピリはしているが、シャルリ…

海外逃亡中につき。

6月に書上げたペーパーだが、無事にアクセプトされて掲載が決定した。 Naoki Odanaka, "Cinquante ans d'un quartier montpellierain : le Petit-Bard, 1960-2010" (Bulletin Historique de la Ville de Montpellier 38, forthcoming in 2016) モンペリエの…

カンファだ!! 選挙だ!!

ドイツ・ボーフムのカンファを終え、その足で=カンファ会場からデュッセルドルフ空港に直行して夜のフライトで帰国したところだ……が、これもすべて参議院選挙で投票するためである(ウソ=期日前投票済み)。 ちなみにカンファについては岡本充弘さんのブロ…

日韓歴史家会議

日韓歴史家会議であるが、11月5日と6日に、東京のどこか(まだ連絡が来てないので、ぼくも知らない)で開催される予定である。ちなみにプログラムは以下のとおり。 全体テーマ:現代社会と歴史学 (1)第一セッション:大学での人文学と歴史学 小田中直樹(東…

ドイツだ!!

日韓歴史家会議のトーク用のドラフトを殴り書きあげたと思ったら、もう来週はドイツではないか。30年ぶりのドイツで、30分一本勝負(トーク10分、質疑応答20分)。 それにしても、もう今年も半分終わる。は、は、早すぎるぞ、時間たつのが。

業務報告(のみ)。

【6月10日追記】 邦文ペーパー、本日、四百字42枚弱で完了。50枚という話だったが、ま、こんなもんでいいだろう。編者に送信して納品し、一件落着である。 次は、多分、日韓歴史家会議用のペーパー「ケアリングとしての歴史学へ」(仮題、7月末締切)という…

おしごと、ひとつ終了。

ゴールデンウィーク前半の全身全霊(大げさ)を捧げた「歴史叙述ワークショップ」(ドイツ・ボーフム、7月7-9日)用の拙文"History Regimes in High School World History Textbooks in Contemporary Japan"(東北大学TERGディスカッション・ペーパー350、20…

一難去って、また(さらにデカい)一難。

ぼくらの業界では「黄金週間」と書いて「じぶんのしごとのかきいれどき」と読むことになっているのだが、ことしはチョー「かきいれどき」となった黄金週間前半戦。気づいたら、はやくも後半戦である。 せっかく先月末にソウルで『国民を書く(Writing the Na…

マトモな新聞記事に出会うということ。

最近なかなかマトモな新聞記事に出会わないのだが、仙台の地元紙『河北新報』の5月1日付朝刊に載った熊本地震関連の記事「二つの被災地つなぐ使命胸に」は、心を打つ文章だった。 河添記者グッジョブ――面識ないけど。 『河北新報』も捨てたもんじゃないんだ…

(例によって)知は力である。

エブリバディ・ウェルカムということで。

熊本地震に想う(2)。

ソウルにありつつ、勤務先の「課外・ボランティア活動支援センター長」として、熊本地震とのつきあい方に想いをめぐらせている。 そんななか、今日の『西日本新聞』に、またもや大フォントで怒鳴りたくなる記事を発見。 政府現地本部長交代 暴言続き地元がNO…

熊本地震に想う。

【あまりにも乱雑で芸のない文章だったので、4月19日に修正】 熊本はちょっと遠いので、とりあえず熊本県庁の「熊本地震義援金」に寄付。ちょっと、いま、手元不如意なので、少額ですみません(3.11のときの各方面からのご厚意を考えると、お恥ずかしい)。 …

桜とともに『マル経入門』を読む。

あっという間に仙台も桜の開花宣言が出された。そんな今日は3月33日、ぞろ目で目出度い土曜日である。一部に今日は4月2日という報道もあるが、これは、なんとしても2015年度を終わらせ、万事をフォーマットしたいという一部諸氏の歪んだ願望が物象化した俗説…

働けど、働けど。

あっというまに2月も終盤戦である。思えば、帰国前日にモンペリエで風邪をもらったのが運のつきであった。山なすティシュペーパーとともに帰国したのは良いとして、鼻風邪が治らないままに「絶賛出稼ぎ強化期間」に突入し、気づいたら急性副鼻腔炎で麹町の耳…

来た、見た、負けた。

今回は2週間の滞在なので、唯一の貴重な日曜日。どこに出かけるか……と思案したあげく、日帰りできて、まだ訪問していないところとして、サント・マリー・ド・ラ・メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)に出向くことにした。ロマ/ジタン/ジプシーの聖地として…

都市の「文化度」。

モンペリエに来て、はやくも一週間。今回はたった2週間の滞在なので、すでに半分が過ぎたということになる。諸般の事情(前述)でモンペリエ市文書館におけるリサーチが進まないので……あらかじめ目的を低く設定しておいたゆえに、当初の目的自体はクリアして…

キーワードは「前倒し進行」。

フランスでしごとをストレスレスに進めるためのキーワードは「前倒し進行」である。これは自信をもって断言できる。日本人の水準からいってもパンクチュアルなぼく自身でさえ、これまでさんざん痛い目にあってきたからだ。 今回も、まことドンピシャ。ただし…

モンペリエ。

【追追記】 澤田かおり「幸せの種」 動画を張れることを、今年になるまで知らなかった。 ツボにはまり、ヘビーローテート中である。 【追記】 CDGである。いつものように国鉄駅構内の安カフェでビールを飲み、フランス無事到着の儀式中。今回は、羽田ラウン…

「首」が付く慣用句とは。

「首」が付く慣用句には、わが身にひきつけてみると不吉なものが多い。たとえば。 ①首が回らない。 年初にも書いたが、頭と体のスペックが低いせいか、老化が進んでいるせいか、ここのところオファーがキャパシティを上回る状況が続き、首が回らない。手形を…

謹賀新年

2016年である。 ①仕事的にも(=一応しごとがたてこんでいて新しいリクエストに答えられそうもない)身体的にも(=12月に入って朝起きると首が回らない/曲がらないようになった)どうにも首がまわらない状態で新年を迎えることになった。どっちもトシのせ…