宿・題・日・記

どうにか(最低限の)準備を終えたので、今日から『フランス現代史』の本体部分を書きはじめた。「本体部分」というのは、本書の枠組みというか問題関心というか視角というか、そんなものを提示する「序章」については、すでに以前に書きなぐって……じゃなく…

INSEE。

あっという間に新年度となり、あっという間に連休が接近してきた。今年に入って公私ともにパッとしない話がかさなり、春休みもその勢いのままに終わってしまったのが敗因である。それでもしごとだけはたまるもので、フィジカルに回らない首がますますもって…

アーカイヴァル・ワークとはなにか(6・完)。

【2月17日追記】 Merci Montpellier, a la prochaine fois......s'il y en aura (peut-etre pas, au moins dans l'avenir prochain). 【本文】 そんなこんなで、エロー県文書館における2週間のアーカイヴァル・ワークが終わった。115箱をチェックし、約12000…

アーカイヴァル・ワークとはなにか(5)。

月曜日(12日)は、エロー県文書館は休館日なので、しばらく(眠いので)ためらったのち、7:14の各駅停車で隣県ガールの県庁所在地ニームに出かける。いずれ同市についてリサーチしようと考えているので、主要資料が保存されているニーム市文書館に「ご機嫌…

アーカイヴァル・ワークとはなにか(4)。

【2月16日追記】 ちょっと請求番号の記述が混乱していたので、修正した。 【本文】 すこし具体的な話で考えてみよう。 いま、ぼくは、戦後モンペリエの都市計画・都市化の歴史を調べている。もうちょっと詳しくいうと、1960年代からおもに市の北西部に拓かれ…

アーカイヴァル・ワークとはなにか(3)。

モンペリエの一週目が事実上終わった。最近は二週間しか滞在しないことが多いが、今回もその例に漏れないので、これで滞在が半分すぎたということになる。エロー県文書館は週四日しか開館しないが、今週は四日で61箱開け、約4500枚の資料を撮影した。残りは5…

アーカイヴァル・ワークとはなにか(2)。

【追記】 ぜんぜん話は違うが、エロー県文書館からの帰り道に、日本でもフランチャイズチェーン展開して有名になったパン屋であるポール(Paul)があり、そこでパンを買って帰るのを日課にしているが、なんか不味くなってないか、ポールのバゲット? スカス…

アーカイヴァル・ワークとはなにか。

5か月ぶりのエロー県文書館の作業初日は、とにかく「腰が痛い」の一言。パリも寒いがモンペリエも寒く、おまけに今日は珍しく本格的な雨が続くということで、アーカイヴァル・ワークをしていれば腰が痛むのはすぐそこ、腰痛にはうってつけの一日となった。 …

色々と寒い冬。

【追記】 それにしても驚いたのは無料公衆wifiの普及ぶり。ANAは、有料だが、約2000円でフライト中つなぎっぱなしという太っ腹サービスが国際線で始まり、ぼくもちょっとぐらついたがやめて、酒と古いドラマの時間をすごした。で、ふるえながらTGVに乗ったら…

謹賀新年、または英雄待望論の胎動。

謹賀新年。 2018年に入って元旦のみ布団と酒の日々をすごし、昨日から出勤して『フランス現代史』(仮題)の構成(つまりキーワード入り目次)作成を続けている。長いあいだ19世紀つまり近代を専門にしてきたせいか、第二次世界大戦後については「土地勘」が…

2017年を振返る。

あっという間に大晦日。 ぼくは、個人的には昨日が仕事納めで、今日は布団と戯れる一日となることになっている。もっとも明後日(1月2日)からは出勤する予定なので、なんというか「一日ずれた週末」感がハンパない。 2017年は、個人的には平和な……というこ…

現代フランスをみる眼

1 「モデル」から「先行者」へ 【日仏の現在】 二一世紀の日本において、フランスはいかなる存在としてあるのだろうか。 経済協力開発機構(OECD)が公表しているデータ(日本は二〇一七年、フランスは二〇一五年)にもとづき、いくつかの点について両…

華麗なる加齢の秋

あっというまに師走を眼前にする時期となった。この間、絶賛大不調の日々を過ごしてきた。とにかく、フランス滞在中から腰と膝がいうことを聞かず、帰国後は首と肩が加わり、全身ガタガタである。どうしようもなくなり、ここのところは携帯用のステッキを持…

伝統の創造。

モンペリエに来て、早くも第一週目が終わった。来週の今頃は、帰国のためCDGに向かっている最中ということになる。二週間というのは、やはり短い。 さいわい、日本を出るときは台風一過、しかも、なぜか一時間以上も前にCDGに到着するという空前の事態となり…

歴史屋の性(さが)。

月曜日から二週間の予定でモンペリエに出かけることになった。台風の吹き返しで東京は強風が予想されており、また新潟から沿海州という通常飛行ルートが台風を追いかけるかたちになるため、はたしてフライトが予定通りに出発し、予定通りにCDGに着くのか、一…

誕生日を前にして。

「夏のない夏」をすごして、気付いたら9月。9月は誕生月なので、まもなく54歳、人生も2/3を終えることになる。だいぶ腰も重くなり、このままではマズイ……ということで、とりあえずサワサワと各種生活を同心円状に広げるなかで新しいことにアクセスしてゆきた…

「締切」という概念。

数日前から、ほんとに久しぶりに原稿用紙の升目を埋める日々を過ごしている。 ESSHC(European Social Science History Conference、ヨーロッパ社会科学&歴史学会)にリジェクトされ、悔しいのでICUH(International Conference on Urbain History、国際都…

足羽俊夫(1931-2017)

パリから足羽さんの訃報が届いた。 足羽さんといっても、ぼくの周囲では、知っている人はほとんどいないだろう。鳥取県・日南町の出身。独学で絵を学び、1961年に渡仏してパリ美術学校(ボザール)に入学。石版画で頭角を現し、1964年卒業後、日本人として初…

「オーディエンス」はだれか。

札幌でボーダー・ヒストリーのカンファがあり、オーディエンスとして参加してきた。シュテファン・バーガー、クリス・ローレンツ、イム・ジヒョン、テッサ・モリス=スズキなど、そうそうたるゲストを海外から招き、また日本、韓国、アメリカ、香港、中国な…

梅雨、続く。

空梅雨かと思われていた今年の仙台の梅雨、ここのところ梅雨らしくなり、それとともに、梅雨明けがいつになるか「?」状態と化してきた。そんななか、あいかわらず戦後モンペリエ都市史に関連する研究文献を読みふける毎日をすごしている。 昨年末に、このテ…

本郷へ。

本郷に行くときは、なるべく上野で新幹線をおりて歩いてゆくようにしている。昨日もそうした。地下深くの新幹線ホームから、いまでは利用者が少なくなったためガランとした感のある新幹線地下コンコースを通り、古き良き時代を偲ばせる不忍口に出る。ガード…

長い二日酔いの時代に。

さきほど「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」通称共謀罪法が成立した。内容、審議過程、採決方法、採決方法採用の動機、どれをとっても「不明」の一言に尽き、くらくらしてくる。まるで二日酔いのときみたいだ。 …

ソウルの思ひ出

先週の今頃はソウルで過ごしていたのだが、ということは、つまり、あれから一週間たってしまったということである。なんでこんなに時がたつのが早くなってしまったのだろうか……って、それは加計学園問題から目が離せないからである(半分ホント)。 さて、そ…

こんな日が来るとは。

第8回東アジア・スラブ&ユーラシア研究学会にセッションのコメンテータとして参加するため、昨日からソウルに来ている。今朝は6時ころから朝食を買いがてら30分ほどホテル(カンナム地区)の周辺を散歩したが、からっとした好天で、気持ちの良い一日になり…

レ・ミゼラブル(新プロダクション)

週末は、横浜はみなとみらいで元教え子(ゼミ生)の披露宴。新郎新婦は小中(高校は別だったらしいが)大の同級生ということで、ほのぼのとした良い雰囲気の披露宴だった。写真が披露宴の光景だが、主菜は子羊のクスクスだった……というのは(もちろん)冗談…

日本西洋史学会報告⑤

第5試合 谷口良生「フランス第三共和政前期(1870-1914年)における地方議会と議員の経歴―ブーシュ=デュ=ローヌ県議会を中心に―」 そろそろ記憶が(いろいろな意味で)怪しくなってきたが、たしか上記タイトルとは異なり、第三共和政前期(第一次世界大戦…

日本西洋史学会報告④

第4試合 湯浅翔馬「フランス第三共和政初期のボナパルト派におけるヴィクトル派の形成と展開 1879-1885」 ボナパルト派の我が世の春といえば、なんたって第二帝政とナポレオン3世である……が、1870年の独仏戦争で敗北し、ナポレオン3世が退位し、第二帝政が崩…

日本西洋史学会報告③

【追記】 ギャップにも国鉄が走っていた。ごめん、ギャップ。 【本文】 第3試合 藤原翔太「ナポレオン体制期における地方統治システムの転換―名望家時代の揺籃―」 フランスの中でも1、2を争う弩マイナーな県(失礼!!)オート・ピレネーを対象とし、フランス…

日本西洋史学会報告②

第2試合 野口理恵「女子修道会による保育施設の運営と世俗化―19世紀パリにおける福祉と教育の狭間―」 フランス革命期から20世紀はじめ(1905政教分離法)までのフランスが、カトリック教会支持派と、脱宗教化支持派(世俗派、共和派とニアリーイコール)のあ…

日本西洋史学会報告①

先週末(5月20-21日)は「界、年に一度の大同窓」の略語と化しつつある日本西洋史学会が一橋大学で開催され、20日(土)午後の公開講演(藤田幸一郎さんと見市雅俊さん)と21日(日)午前の部会別自由論題報告(個人発表)を聞いてきた。その間に3回のアルコ…