『20世紀のヨーロッパ経済』

デレク・オルドクロフト『20世紀のヨーロッパ経済』(塩谷昌史他訳、晃洋書房、2002、原著2001)
いただきもの(読むのを忘れていた……)。

(1)第一次世界大戦開始から21世紀はじめまでのヨーロッパ経済を概観する概説書。「訳者あとがき」には「20世紀のヨーロッパ経済を描くにあたり、著者たちの根底にあったのはコンドラチェフ景気循環である」(283ページ)とあるが、景気循環の話はあまり明示的には出てこない。それでは全体を貫く導きの糸は、というと、あまりはっきりしないのがちょっと残念。

(2)もっとも、概説書らしく大変インフォマティヴで、いろいろなことを教えられた。とくに、1950年から1970年にかけて、ヨーロッパは高い水準の経済成長を実現し、アメリカ合衆国にキャッチ・アップしつつあったという指摘には、興味を惹かれた(123ページ)。そういえば、たしかにフランスでもこの時代は「黄金の30年trente glorieuses」(1830年の7月革命の別称「黄金の3日間trois glorieuse」をもじっていたという記憶があるが…)と呼ばれていたはずだった。単純なヨーロッパ衰退史観で20世紀を見るのは間違いだ、ということになるのだろう。