『法律の使い方』

柴田孝之『法律の使い方』(勁草書房、2005)
いただきもの(徳田さん、またもかたじけない)。
おすすめ。

(1)司法試験予備校業界の「カリスマ講師」による法学入門。たんなる「試験合格ノウハウ本」でもなく「専門書を水で割った入門書」でもなく、タイトルどおり「使い方」という観点から「法律的なものの考え方」を根本的に解き明かそうとする野心作。

(2)この本によれば、法律のポイントは

  • 法律は事件(紛争)解決のツールである
  • 法律は条件(要件」)と結果(「効果」)からなる
  • 結果のメインは権利と義務である
  • 「法律の使い方」で大切なのは、適用対象の条文を探すことと、条件に当る事実が存在するか否かを判断すること(事実認定)の2点である

とまとめられる。したがって法律解釈を伴う事件処理は

(1)事件が起きた場合、まず当事者の請求が何かを確かめます…。
(2)請求を確認したら、請求の根拠になる法律を探します。
(3)法律が明らかになったら、その要件を確認します…。
(4)…要件にあたる事実があるかどうかを確認します。
(5)要件があれば効果が発生します。なければ効果は発生しません。(51ページ)

という流れになる。なんとシンプルな。

(3)ただし、それでは、この本で提示される「法律的なものの考え方」の背景には何があるのだろうか。そんな疑問が湧いてくる。もっとも、そこまでふみこんで説明するのは、この本の目的を大きくこえるのかもしれないが。