『教養としてのロースクール小論文』

浅羽通明『教養としてロースクール小論文』(早稲田経営出版、2005)
おすすめ。

(1)ロースクール未修者入試小論文問題をネタに、現在社会が抱える諸問題や思想状況について語りたおす講義録。テーマは、自己決定権、グローバリズム、専門家、正義、などなど。

(2)もちろん

  • 細かなミスが散見される:「ネイティヴ」が「ネガティヴ」になったり、「ホモ・エコノミクス」が「ホモ・エコノミスト」になったり、とか
  • 多少バランスを欠く点がある:世界システム論(ウォラーステイン)だけ紹介してリカード比較生産費説(リカード)に触れない、とか
  • 最後はちょっと強引に「世間」論(阿部謹也)にもってゆく:個人的にはベネディクトとヴェーバーのほうが大切だと思う

などの問題はあるが、これだけ広い内容を、かなり首尾一貫したストーリーを描きつつ、現実の問題とその背後にある理論や思想を関連付けながら解説してくれるのだから、そうそう文句は言えないだろう。個人的には浅羽ファンだし。