『メディア文化の街とアイドル』

仲川秀樹『メディア文化の街とアイドル』(学陽書房、2005)

(1)山形県酒田市は中町商店街がうみだした地方発アイドル「SHIP(酒田発アイドル育成プロジェクト)」を「メディア文化論」という視覚から分析する書。テーマは面白いし、「メディアとしてのアイドル」という着眼点は渋いのだが、だがしかし。

(1)第1章は「メディア文化」を理論的に考察するが、言葉がちょっと上滑る。たとえば「メディア文化論」を、「社会学の構造・機能・変動理論をベースにしている」という注記を付したうえで、

メディア文化の現象を多角的に分析する学問(25ページ)

と定義する。でも、これでは同義反復にすぎないと言えば言えないわけでもないような気がしないでもないのだが、これでよいのだろうか。

(2)第2章は1970年代まで酒田市にあった映画館「グリーンハウス」の歴史を概説するが、それと「SHIP」の関係は不明。同じ酒田市だから、関係があると言えば言えないわけでもないような気がしないでもないが、これでよいのだろうか。

(3)第3章は、大学生400人を対象に、「地域商店街にどうして人が集まらないのか」および「どうしたら地域商店街の人が集まるのか」を設問として実施した自由記述式アンケートを分析するが、回答を(ほぼ)そのまま60ページ強にわたって羅列し、ついでそれを10ページ弱でまとめる。ちなみに第6章でも、別の自由記述式アンケートに対する回答が約20ページにわたって羅列されている。これが定質的分析法だと言われれば、はいそうですかと答えざるをえないような気がしないでもないが、これでよいのだろうか。

(4)以下の章については省略。そういえば「SHIP」については、以前テレビで見たことがあった。隣県在住者としては応援応援。