『心のパターン』

レイ・ジャッケンドフ『心のパターン』(水光雅則訳、岩波書店、2004、原著1993)

(1)生成文法理論の解説書。ひきつづき(勉強でも研究でもなく)お勉強読書なので、とりあえず抜粋だけ。この本の内容を要約しているのは

言語使用における表現の多様性は、言語使用者の脳に、一組の無意識な文法の原理が含まれているということを意味します…。子どもが話すようになる様は、ヒトの脳に、言語のため特化することが遺伝的に決められたものが含まれているということを意味します。(6ページ)

という部分だろう。

(2)この「無意識な文法の原理」をジャッケンドフは「メンタル文法」と呼ぶが、それでは

(私とあなたが英語話者であるとして)…私のメンタル文法とあなたのメンタル文法はなぜほぼ同じなのでしょう。誰もが同じ普遍文法をもって生まれるからです。そして、普遍文法は、英語話者によって作られた音波と関係し合って、いつも同じ答えを出します。すなわち、「英語の」メンタル文法という同じものに至ります。だからこそ、同じ言語の話者同士では、話者が言っていることを大なり小なり「客観的」として扱うことができるのであり、普通は誰もが同じ解釈に至るのです(198ページ)

ということになる。とすると問題は「誰もが同じ普遍文法を持って生まれる」のはなぜか、という問題だが、それは認知科学脳科学の守備範囲だろう。というわけで、認知科学脳科学の時代における生成文法理論、恐るべし。もうちょっと勉強が必要そうだ。