『新版・年収300万円時代を生き抜く経済学』

森永卓郎『新版年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社・知恵の森文庫、2005、初版2003)
おすすめ。

(1)岡山まで新幹線で日帰り(往復12時間、ちなみに岡山滞在は4時間)するという、ぼくのような鉄道マニアにはこたえられない出張の際に、岡山駅構内の本屋で買い、帰りの新幹線のなかで読む。

(2)いまさら紹介するまでもなく、

  • 新自由主義のトレンドのなかで、サラリーマンは年収100万円層(フリーター、契約社員派遣社員)、300万円層(正社員)、数千万円層(エリート)に三極化すると予言し、
  • 年収300万円でも節約して趣味に生き、ラテンののりで暮らせば幸福でありうるから「楽しく諦める」ことを提唱し、
  • さらにそれは「逃散」という一種の抵抗形態であると評価し、

評判になった一冊。もちろん

  • 年収100万円層はどうなるのか(玄田有史「解説」)
  • 「逃散」以外の抵抗形態はないか、本当に「逃散」しきれるか

といった疑問は残るが、とにかく面白いからOKなのである。

(3)いちいち「そうかそうか、そうだそうだ」と思いながら読了し、眼を上げると、しかしそこには疲れはてたサラリーマンたちが眠りこけているという車内風景が広がっていたのだった。