『投票行動』

三宅一郎『投票行動』(東京大学出版会、1989)

(1)多分来るべきしごとに備えて買った、「現代政治学叢書」の一冊。ところが、

投票行動は概念上、投票参加行動と投票方向の決定行動に二分できる。参加行動については本叢書6『政治参加』が刊行されているのでほとんどそれに譲ったため、本書は参加なき投票行動論になった。ほかにも、「合理的投票」はその詳細を9『公共選択』に…委ねている(2ページ)

ということで、しごとには役立たないことがわかる。でも、買ってからわかってもなあ。インターネット書店リアル書店とを問わず、「注文」という制度は、だから好きじゃない。いったん店頭で見てから買いたいのだが、どうにかならないもんだろうか。

(2)そうはいっても、定評ある投票行動論の教科書だけあり、内容自体は色々と面白い。とくに、書かれたのがちょうど選挙制度改革論争のさなかだったことを思い起こすと、

  • 小選挙区制度はカネがかからないというのはウソである
  • 小選挙区制度が有権者の影響力増大につながるというのはウソである

といった、小選挙区制度に対するこの本のクールな評価がさらに味わい深い。まったくもって、あのころ、衆議院議員選挙に対する小選挙区制度の導入を求め、熱狂的に選挙制度改革万歳論を叫んでいた政治学者たちは、いまごろどこで何をしてるんだか。