『高校生からわかる日本国憲法の論点』

伊藤真『高校生からわかる日本国憲法の論点』(トランスビュー、2005)
おすすめ。

(1)これまた司法試験予備校界のカリスマ講師、というよりは、一時はロースクール運営に乗り出すという(皮肉抜きで)快挙寸前まで行ったカリスマ経営者の手になる日本国憲法の解説書。本の執筆を始めたので、他人の本の内容がなかなか頭に入らないのだが、これはすらすらいける。ということは、つまりぼくの法律理解が高校生レベルということか。

(2)伊藤さんによれば、現行憲法のポイントは

  • 「法律は国民を縛り、憲法は権力を縛る」という立憲主義にもとづいている
  • 権力は個人と個人の利害を調整するためにあるという立場に立っている
  • 「すべて国民は、個人として尊重される」ことを定めた第13条が大切である

といったところにある。現行憲法改正に対する賛否を問わず、ぼくらはまず現行憲法、さらには憲法そのものについて、ちゃんと理解しなければならない、という伊藤さんの考えは、まことその通り。ノリやフィーリングで議論するのは、いい加減やめてほしいし、いい加減やめたいものだ。

(3)ついでに、個人的には、立憲主義を正当化する論理として「歴史」を持ち出していることが興味深い。でも、これで論理として十分なんだろうか。