『危険社会』

ウルリヒ・ベック『危険社会』(東廉他訳、法政大学出版局、1998、原著1986)

(1)原子力をはじめとする巨大技術がそこらへんにゴロゴロしている今日の社会を特徴付けるべく「リスク社会」という概念を提起し、大きな反響を呼んだ書。「リスク社会」という概念は、絶対に大切だと思う。思うのだが、ぼくの頭が完全にアウトプット・モードになっており、朝も昼も夜も「じ・り・つ」という言葉が耳元でなりひびいているせいか、さっぱり論旨についてゆけない。

cf.それにしても、一般的にいって、どうもドイツ人が書いた本(の訳書)は、苦手だ。「総体把握への欲望」みたいなものがあり、そのせいであれもこれも本につめこもうとし、論旨を追いにくくしている、という気がするのだが、おもいすごしだろうか。

(2)でも、リスク社会の特質を

  • リスクは万人に影響を与える可能性があるため、もはや「他者」は存在しえなくなる
  • 富ではなくリスクの分配をめぐって集団がヒエラルヒーをなし、相互に闘争する

という、一見すると「そりゃそうだ」という気がするが、じつは相互に矛盾している2点で捉えていることはわかった。この枠組みはとても興味深いが、それでは両者の関係はどんなものなんだろうか。