『価値と資本』上巻

ジョン・ヒックス『価値と資本』上巻(安井琢磨他訳、岩波書店岩波文庫、1995、原著1939)

(1)山陰出張のお供。自宅を6時に出て、電車、バス、飛行機、もう一つ飛行機、バス、列車をのりつぎ、目的地の出雲市に着いたら15時30分。さらに調査後は列車で3時間かけてホテルに移動。もちろん、はじめての中部国際空港(のりつぎ)は広くて快適だったし、中部・鳥取間のプロペラ機(60席)はしぶかったので、大満足ではある。それにしても2時間の調査のために9.5時間の移動とは…日本は広い。こういうときは、時間がたっぷりあるので(ふだん読まない)古典の、でも持ち運びに便利な文庫本を持参するに限る。というわけでヒックス。

(2)一般均衡論を独自なかたちで動学化しようとした(らしい)この本。数式がないのはありがたいが、それでもやっぱり頭に入ってこないのはぼくの能力の問題だろう。ただし、本筋とは関係ない第1部「主観的価値の理論」はひろいもの。先行研究のサーベイにあたり、理論経済学者が読者だったら読みとばすところなんだろうが、ジェヴォンズワルラス、マーシャル、パレートという新古典派初期のスターたちの所説のあいだの異同についての、わかりやすい見取り図となっている。来年の大学院の授業で使うことにしようか。文庫だから安いし。

(3)それにしても、下巻を読むのはいつの日か。