『オデッセウスの鎖』

ロバート・フランクオデッセウスの鎖』(山岸俊男監訳、サイエンス社、1995、原著1988)
おすすめ(でも、このタイトルはハズしてるんじゃないか…なんの本だかわからないし…)。

(1)利他主義を「個人の利益」という観点から考える社会理論の書。例によって完全に理解できたとはいえないが、大略

  • 利他主義は存在する(合理的選択論に対する批判)
  • しかし、それは「個人の利益」という観点から説明されなければならない(規範的利他主義論に対する批判)
  • ゲーム理論をみると、利己主義は「個人の利益」につながらない事例(囚人のジレンマなど)があることがわかる
  • 「自分は特定の選択肢をかならず選ぶということを公表する」ことを意味する「コミットメント」という戦略を導入すると、上記の事例は解決できる場合がある
  • これは「利他主義は〈個人の利益〉につながる場合がある」とよみかえられる

という理屈か。なーるほど、という感じ。

(2)論の展開にあたっては、ゲーム理論や(くりかえしゲーム理論を導入した)進化生物学の成果がふんだんにもりこまれる。面白い。もういちどメイナード=スミスを読みなおさなければなるまい。でも、いつ?