『フィンランドに学ぶ教育と学力』

庄井良信・中島博編『フィンランドに学ぶ教育と学力』(明石書店、2005)

(1)おお、フィンランド。1993年のクリスマス直前、ストックホルムからヘルシンキに渡るフェリーの船底の格安船室で、ぼくらは「ドンドン、ガリガリ」という音が響くのを聞きつつ一夜を明かした。翌日早朝、あの音は一体なんだったんだろうかと思いつつ、上階にあがってまぁ仰天。海は一面凍りつき、フェリーは「ドンドン、ガリガリ」と氷を割りながら進んでいるのだった。たしか朝8時ころに到着したヘルシンキ港では、波止場のすぐ横で海産物の市場が立ってにぎやかだった。暗かったけど。

(2)なにせ"My good old days"なので、話がずれた。OECD学力調査で上位ランクをキープして一躍有名になったフィンランドの教育だが、これもその秘密を探る一冊。現地レポートが多く、臨場感あふれるが、一般化・理論化という観点からは、ちょっと物足りない感じが残るが…。

(3)フィンランドの教育の特徴として、教員が修士号を持っているとか、補習教育が充実しているとか、色々なことが挙げられているが、個人的にいちばん印象に残ったのは読書を重視していること。先日読んだ片瀬一男『夢の行方』(東北大学出版会、2005)も読書が大切だっていってたし、基本が大切というか「読書百遍意自通」というか(ちょっと違うか)ってことなんだろうか。