『ドーキンスvs.グールド』

キム・ステルレルニー『ドーキンスvs.グールド』(狩野秀之訳、筑摩書房ちくま学芸文庫、2004、原著2001)

(1)学部演習でリチャード・ドーキンス利己的な遺伝子』(紀伊国屋書店)を読むことになった。むかし読んでわかった気になっていたのだが、学生諸君と議論していると、あれこれとわからないところが出てくる。たとえば

  • 「シストロン」とドーキンス定義するところの「遺伝子」の関係は、どう考えればいいのか? 
  • 淘汰されるのは個体か、遺伝子か?

などなど。このままではまずいので、これまたむかし読んだこの本をひっぱりだす。ところが…やっぱりわからない。高校の生物からやりなおす必要がありそうだ。

(2)それにしても、経済学部の演習なのに、なんで『利己的な遺伝子』なんだ? もっとも、本を選んだのはぼくじゃない。ただし、『利己的な遺伝子』が属する進化生物学とでもいうべき学問領域は、経済学と密接な関係がある…といえば、いえないことはない。つまり

  • 通常の経済理論が仮定する「経済人」の属性たる利己主義について、ソリッドな根拠を与えうるとみなすことができる
  • ミクロ経済学の最近の動向とおなじく、進化ゲーム理論を応用している

という2つの点で、経済学部の学生も進化生物学のさわりを知っておくべきなのだ。多分だけど。