『限界の思考』

宮台真司北田暁大『限界の思考』(双風舎、2005)

(1)「アイロン党宣言」の書である。

アイロン党宣言(マルクスエンゲルス共産党宣言』、マルクスレーニン主義研究所訳、大月書店・国民文庫、1952、一部文言変更および省略がある)

一つの妖怪がクリーニング(思想のか?―引用者)業界にあらわれている――アイロン主義(ironism―引用者)の妖怪が。

旧きクリーニング業界のあらゆる権力が、この妖怪にたいする神聖な討伐の同盟をむすんでいる。およそクリーニング屋で、その商売敵から、アイロン主義(ironism―引用者)だといってののしられなかったものがどこにあるか。およそクリーニング屋で、より革新的なクリーニング屋にたいしても、また保守的な商売敵にたいしても、アイロン主義(ironism―引用者)という烙印をおす非難をなげかえさなかったものがどこにあるか。

この事実から二つのことがあきらかになる。

アイロン主義(ironism―引用者)は、すでにクリーニング業界のあらゆる権力から、一つの力としてみとめられている。アイロン主義者(ironist―引用者)がその見解、その目的、その傾向を全世界のまえに公表して、アイロン主義(ironism―引用者)の妖怪談に自身の宣言を対置すべき時が、すでにきている…。

アイロン主義者(ironist―引用者)は、自分の見解や意図をかくすことを恥とする。アイロン主義者(ironist―引用者)は、彼らの目的は、既存の全クリーニング屋を暴力的に転覆することによってのみ達成できることを、公然と宣言する。支配階級をしてアイロン主義(ironism―引用者)革命のまえに戦慄せしめよ。アイロン主義者(ironist―引用者)はこの革命によって鉄鎖(iron―引用者)のほかに失うなにものもない。彼らの得るものは全世界である。

万国のアイロン主義者(ironist―引用者)団結せよ!

――えっ、違うんですか?

(2)本当は「主体の死」のあとに主体的に振舞う/振舞わせることをあえてひきうけることの困難さを語って間断なき書…だと思う、多分。