『社会学的方法の規準』

エミール・デュルケム『社会学的方法の規準』(宮島喬訳、岩波書店岩波文庫、1978、原著1895)

(1)宮崎・熊本出張のお供。ちなみに、飛行機を乗り継いだ伊丹では、ブッシュ来日まで8時間もあるというのに、ゴミ箱は撤去されているわ、警察官が10メートルおきに立っているわ、ご苦労なことであった。それはともかく、1年半前から始めた調査もこれをもってどうやらこうやら終了、ほっとしながら仙台に戻る。

(2)佐藤俊樹さんのコメントを拝見し、これは社会学的な「ものの考え方」を垣間見ておく必要があると思い、社会学の古典たるこの本を開く。大学院生時代に買って積ん読状態だった岩波文庫版は、さすがに黄色くなりはじめていたのであった。

(3)いきなり

ここに、きわめて特殊な性格をおびた一群の事実が存在することになる。すなわち、それらは、行動、思想および感覚の諸様式から成っていて、個人に対しては外在し、かつ個人のうえにいやおうなく影響を課することのできる一種の強制力をもっている。したがって、それらの事実は、表彰および行為から成っているという理由からして有機体的現象とは混同されえないし、もっぱら個人意識の内部に、また個人意識によって存在している心理的現象とも混同されえない。それゆえ、以上のような事実は、一つの新種をなすものであり、社会的という名称はそれらにたいしてこそ与えられ、留保されなければならない(54ページ)

といった文章にぶつかる。社会学は伝統的に「分析対象の単位」という問題にこだわってきたことを確認し、ふかく得心した機内であった。