『丸山眞男の時代』

竹内洋丸山眞男の時代』(中央公論新社中公新書、2005)

(1)青森県立八戸高等学校で模擬講義をするべく新幹線で往復した出張のおとも。ちなみに八戸滞在は2時間半…。それはおいておき、教育社会学の方法を利用して日本近現代史を語らせたら右に出る者のいない第一人者による丸山眞男論。よくある思想史的なアプローチではなくて知識社会学的なアプローチにもとづき、第二次世界大戦直前期の狂信的右翼と評される蓑田胸喜と対比しつつ、丸山を論じる。

(2)かくして、

知識階級は支配階級のなかの被支配的フラクション(下位集団)である(81頁)

とか

全共闘による学園闘争の論理が…戦前の蓑田一派の帝大教授批判と相似形である(243頁)

とかいった、興味深くも説得的な指摘が次から次へと出現する。

(3)個人的には、丸山に日本・東洋政治思想史の教育研究をゆだねた南原繁の識見と、またこの選択の理由(「いやだからやる必要がある」、92頁)が印象的。