『拒否できない日本』

関岡英之『拒否できない日本』(文藝春秋・文春新書、2004)
おすすめ。

(1)アメリカ合衆国政府が日本政府にあてて毎年提出している『年次改革要望書』の重要性を指摘し、大きな話題を呼んだ書。建築士資格、企業会計企業統治、司法制度などについて合衆国政府がなにを要求し、なにが実現されてきたかを検討し、合衆国独自の文化を日本に無条件に導入することの危険性に警笛を鳴らす。とくに、建築士資格や企業会計など、「規準」の国際化には十分注意するべきことを説く。

(2)色物じゃないのか、陰謀史観じゃないのか…といった疑念が先に立ち、いままで手に取らなかったのだが、なかなか面白いし、結構あたっている気がする。かなり憶測が混じっているし、論理が飛ぶことも多いが、疑問を持ち、資料を探し、そこから新しいポイントを見出し…といった、著者の作業のプロセスを追って書かれているので、読んでいてスリリングだ。

(3)そういえば、以前ぼくの職場で開かれた講演会のなかで、斉藤静樹さんが企業会計規準国際化交渉をめぐる苦労話をしていたなあ。あれって大切なことだったんだ…今頃わかっても遅いって。