『銃・病原菌・鉄』

ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』(全2巻、倉骨彰訳、草思社、2000、原著1997)
おすすめ。

(1)出版打ち合わせと忘年会(at中野「カルタゴ」、6年ぶりのクスクスは期待に違わぬ美味しさだった)で東京に往復した際の、車内のお友。いまさら紹介するまでもないヒット作だが、たしかにこれまた期待に違わぬ面白さで、大満足。ひとりのニューギニア人から

あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、わたしたちニューギニア人は自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか(上巻18頁)

という質問に直面した生理学者・進化生物学者が、25年の歳月をかけて到達した結論は

ある人間集団による他の人間集団の征服を可能にする究極の要因は、大陸の陸塊がどちらの方向に伸びているかである(上巻125頁)

というものだった。うーん、まいった。

(2)それにしても、こういう仕事が歴史学者ではなく生理学者・進化生物学者の手から生まれたことを、ぼくらはどう評価すればよいだろうのか。ちなみに、もしも「ファーストハンドの資料に基づいていない」云々と称してこの本を批判するとすれば、それは歴史学の自殺だろう。