『西洋史の新地平』

佐藤清隆他『西洋史の新地平』(刀水書房、2005)
いただきもの。

(1)イギリス革命史研究の大家・浜林正夫さんの傘寿を記念して、氏とつながりがある歴史学者たちが寄せた論文からなるアンソロジー。第2次世界大戦後のパリ周辺地域ではマグレブ出身移民機械工たちが一定の社会的上昇を実現してきた(中島俊克論文)とか、「暗黒のウェールズ」イメージを創出したのはウェールズ人自身だった(岩井惇論文)とか、興味深い指摘がある。ただし、この本を「若い人々向けの西洋史の入門書」(はじめに)といえるかというと、うーむ。

(2)それは措いておいて、浜林さんといえば、ぼくも学部生時代に浜林さんの授業を受けたことがある。1984年か85年だったか、なぜか浜林さんはわざわざ(他の大学の)教育学部の社会科教育法の非常勤講師として出講されており、これまたなぜかぼくも社会科教育法を受講したのだった。当時は浜林さんが偉い歴史学者であることも知らなかったが、たしかご自身の研究生活を振り返るといった内容の講義を、じつに楽しそうに進めておられた。その「楽しさ」は、ぼくら学生の側にも十分伝わるものだった。かくして「教育者」としての浜林さんの姿に強い印象を受けた、若き日のわたくしである。