『なぜ人はニセ科学を信じるのか』

マイクル・シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか』(上下、岡田靖史訳、早川書房・ハヤカワ文庫、2003、原著1997)

(1)名古屋から帰仙して、風邪である。気力ゼロ、集中力ゼロ、おまけに最低気温マイナス7度超という久々の極寒。というわけで、ニセ科学ものファンの行政法学者・角松くんに紹介されたこの本を、布団のなかでぼーっとながめる週末。懐疑主義者・科学主義者の手になるニセ科学の論駁書だが、アメリカではいかにニセ科学が大きな社会問題になっているかや、科学とニセ科学の境界線をいかに引くべきかが、具体的な問題に即して論じられる。

(2)それでは、これは、日本に住むぼくらにとっては他人事なのだろうか。最近一部で評判になっている「水伝(水からの伝言)」が小学校の授業に進出しつつあるという事態を考えてみよう。「水伝」が科学的に正しいという意見はどうも問題外らしいが、

  • 科学的に正しくないかもしれないが、正邪をきちんと判断するにはコストがかかりすぎる
  • 科学的に正しくないかもしれないが、「みんな仲良くしよう」というメッセージは正しいのだから、そんなに目くじらを立てる必要はない

という意見が寄せられたとして、ぼくらはどう対応すればよいのだろうか。ぼくなら、まずは頭を抱えるにちがいない。というわけで、この本の内容は、まったくもって他人事ではないのだ。