Forest Rites

Sahlins, P., Forest Rites (Cambridge MA : Harvard University Press, 1994)

(1)シンポジウム「コモンズと所有論(仮題)」の準備読書の続き。1827年、フランスでは、共同林(日本でいう入会の山)における近隣住民の慣習的な用益権をきびしく制限した「森林法典」が制定された。これに対し、スペイン国境にほど近いアリエジュ県では、女装した民衆による抵抗運動「貴婦人戦争」が勃発する。この本は、この貴婦人戦争の意義と意味を歴史人類学的な視点から読みといた書であるが、著者は、どう見ても、著名な文化人類学者ピーター・サーリンズの近親者だろう。

(2)内容はまあよいとして、ここではアメリカ人フランス史学者のスタンスを特記しておきたい。彼(女)たちのなかには、短期間の休暇を利用して渡仏し、一気に史料を収集し、さらに文化人類学、地理学、考古学、政治思想といった隣接学問領域の方法論や理論を援用しながら、じつに面白いモノグラフをまとめるものがいる。この本の著者サーリンズもそのひとりである。ぼくら日本を拠点とするフランス史学者も、彼(女)たちのスタンスを見習うべきではないだろうか…な〜んて殊勝な、というか抽象的なことを考えたのは、依然として鼻風邪が治らず、それ以上頭が働かないからである。