『仏教vs.倫理』

末木文美士仏教vs.倫理』(筑摩書房ちくま新書、2006)
いただきもの(増田さん、サンクス)
おすすめ。

(1)倫理と比較しつつ宗教としての仏教の行く末を探る、仏教学者の手になる書。「倫理」は「個人」と「人の間」(社会)はとりあつかえるが、それをこえた「他者」、たとえば「死者」は手に余る。それはもはや「宗教」の対象なのだ。かくして、あれよあれよという間に、葬式仏教の復活が唱えられるに至る。

(2)この本のみどころは、読者の予想を良い意味で裏切るロジックの展開にある。それは、分析対象たる仏教そのものに内在されているロジックの特性のなせるものかもしれないし、著者の力量の産物なのかもしれない。良い頭の体操になります。