History, Theory, Text

Elizabeth A. Clark, History, Theory, Text (Cambridge MA. : Harvard University Press, 2004)

(1)アメリカのキリスト教史学者が、歴史学における言語論的転回の歴史を顧み(第1章〜第7章)、そのうえで、それによって誕生した(いわば)ポストモダン歴史学の方法が初期キリスト教史研究に対して持ちうる意義を検討する(第8章)。第1章から第7章までは、フーコーとかデリダとかいった、よくお目にかかるビッグネームの所説を要約したもので、上手にまとまっているが新味はない…が、とりあえず週末の昼寝のおともとしてはひろいものでした。

(2)個人的には

というあたり(だけ)が興味深い。この辺を(ディルタイとリクールについては再度)勉強して、「ヘンペル-->ディルタイ-->リクール」といった(時系列を無視した)議論がうまく構成できれば、本業の役に立つかもしれない。

(3)第8章は、ポストモダン歴史学は、テクストが現実から自立していることを強調する点で、宗教関係の文書を主要資料とする初期キリスト教史研究の役に立ちうる、と主張する。それはそうかもしれないが、ポストモダン歴史学の所説ってそこに留まっていないんですけど…実証主義歴史学の領域で始まっている「テクスト学」のほうが役に立ちそうなんですけど…といった気がするのは、わたくしが初期キリスト教史研究に素人だからでしょうか。