『貿易・貨幣・権力』

田淵太一『貿易・貨幣・権力』(法政大学出版局、2006)

(1)昨日はドリカムのコンサート(アンコールの「朝がまた来る」でひとり涙し、周囲から怪訝そうな顔でみられたのはわたしです)、今日は有給休暇をとって娘のPTAの役員会(おかあさんパワー、おそるべし)、そのあいまに、リカード比較生産費説の通説的な理解「リカード・モデル」を批判するこの本を読む。

(2)この本の内容をまとめると

  • リカード・モデル」は単位労働コストが各国間で等しいことを前提としている
  • 単位労働コストが各国間で等しいためには「貨幣的自動調整メカニズム」が機能していなければならない
  • しかし、実際には「貨幣的自動調整メカニズム」は機能していない
  • したがって「リカード・モデル」は成り立たない

という感じだろうか。もちろん、そのほかに、

  • リカード比較生産費説をただしく理解すると、どうなるか
  • リカード・モデル」はいかに(改変されて)成立したか
  • ヒュームの為替レート理論はいかに成立したか

といった、様々なアーギュメントが盛り込まれている。

(2)それにしても、あるモデルに対して「実際には、そうではない」というかたちで批判を加えるとき、その批判が有効であるためにはどんな条件が必要なのだろうか。