『ゼミナール経済政策入門』

岩田規久男飯田泰之『ゼミナール経済政策入門』(日本経済新聞社、2006)
いただきもの。
おすすめ。

(1)経済政策学の体系的な初級教科書。経済政策をミクロ経済政策、マクロ経済政策、所得再配分政策の三つに区別したうえで、おのおのを経済学的に説明し、その含意と評価を提示する。

(2)なんといっても「経済学にはほとんど素人なのに、こんなにわかっていいんでしょうか」と、ほとんどTVショッピングのノリになってしまうほど、わかりやすい。たとえば、成長政策論・経済成長論を解説する第6章を読むと、新古典派成長論の基本であるソロー・モデルの内容と含意が一発でわかる。ここまですっきり説明するためには、著者の飯田さんたちは相当苦労なさったろうと思う。

(3)それだけではなく、この本はミクロ経済学マクロ経済学の基本的な部分をほとんどカバーするように作られている。その意味では、この本は経済理論の初級教科書でもある。それも、単に既存の教科書をなぞるのではなく、「経済政策学」という観点から様々なアーギュメントをいったん再編成したうえで、体系的な説明を心がけている(ようにみえる)。これもまた、とてもチャレンジングな企てだといわねばなるまい。