『ヘロドトスとトゥキュディデス』

桜井万里子『ヘロドトスとトゥキュディデス』(山川出版社・ヒストリア、2006)
いただきもの。
おすすめ。

(1)日本を代表するギリシア史学者・桜井さん(に一部から付けられた愛称は、畏れおおくも「マリリン」)の新作は、歴史学の祖を築いたと評される2人のギリシア人を対象に、

といったテーマを、200ページ弱のなかでコンパクトに論じきる快著。

(1)本筋から外れるかもしれないが、「テミトスクレスの碑文」と呼ばれる史料の真偽を論じる第5章「ヘロドトスの描いた史実」が、史料をさばく桜井さんの手際の繊細さを感じさせて興味深い。他のテクストとくいちがっているからこそ本物なのだと主張する、一見暴論のようにみえる桜井さんの立論からは、数少ない史料を大切に・詳細に分析し、論じつづけてきた古代史学の、いわば方法的な蓄積の深さを感じとることができる(96-7頁)。

(3)というわけで、桜井さん、東大ご退職とのこと、おつとめご苦労さんでした!!