『戦闘美少女の精神分析』

齊藤環『戦闘美少女の精神分析』(筑摩書房ちくま文庫、2006、初版2000)

(1)アニメをはじめとするサブカルチュアにおける「戦闘美少女」の遍在から「おたく」の精神構造に迫り、話題を呼んだ書がはやくも文庫化された。期待して読みはじめるが、いきなり「はじめに」で

  • アメリカのアウトサイダー・アーティスト(ダーガー…小田中)の作品と、日本のアニメ作品(セーラームーン…小田中)の(戦う美少女を描くという…小田中)奇妙な符合(10頁)
  • 戦う美少女という大衆的な表現ジャンル事態が、さしあたり日本固有のものなのである(11頁)
  • 戦闘する美少女というイコンが、少なくとも日本のオリジナルでも独自な分野でもないことは明記しておきたい(14頁)

という論理のゆがみに直面して面食らう。

(2)東浩紀動物化するポストモダン』(講談社講談社現代新書、2000)を読んだときに感じた《切迫性》とでも呼ぶべきものがほとんど読みとれず、《ふーん、で?》という読後感しか残らなかったのは、ぼくがアニメ音痴だから……ではないと思うが。