『80年代「地下文化論」講義』

宮沢章夫『80年代「地下文化論」講義』(白夜書房、2006)

(1)劇作家・小説家の手になる1980年代文化論。東大・駒場での講義録。《オタクvs.新人類》という対抗軸にもとづき、かつ《新人類》的な文化の只中にいた当事者の立場から、1980年代文化を語る。

(2)宮沢さんによれば、

  • オタクは閉塞していた
  • 新人類は開かれた個人を目指していた
  • オタクは文化に対する関心を欠く
  • 新人類はメセナをしている
  • オタクは格好悪い
  • 新人類は格好いい

のだそうだ。もちろん宮沢さんは新人類に親近感を持っているわけだが、いまだにオタクと差異化しなければ自己を定義できない新人類というのも、なんだかもの悲しい。この本も議論はオタクの話ばかりで、新人類にたいするリフレクシヴな眼差しは一箇所(274-5頁)だけなのだった。それって格好悪くないか?

(2)もうひとつ、当時のぼくみたいな一般ピープルが視野に入っていないのも、残念。