『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』

イマニュエル・カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』(中山元訳、光文社・光文社古典新訳文庫、2006、原著1784/86/94/95)

(1)古典をわかりやすい言葉で訳しなおすという渋〜いコンセプト――これって「プロジェクト杉田玄白」に似てないか?――で始まった光文社古典新訳文庫の第1回配本のラインナップに並んでいたのが、なんとカント。うーむ、この選択も渋い。

(2)中山元さんの訳は、めちゃくちゃわかりやすい。そして、わかりやすい訳文を読んでいると、たいていは、じつはそれまで理解してなかった点がいきなり明らかになってがっかりするという経験がうまれる……で、今回は、所収されている「啓蒙とは何か」を読みなおし、

  • そこで用いられている《公的vs.私的》の二項対立は、常識的なものとは逆になっている
  • そのうち《私的》という概念は、かな〜り問題含みなものである

ことが、ようやく腑に落ちた。おいらはいままでなにをどう読みとっていたんだか……やれやれ。