『マクロ経済思想』

エドマンド・フェルプス『マクロ経済思想』(平山朝治訳、新世社、1991、原著1990)
おすすめ。

(1)「おはようフェルプスくん」で知られる(ウソ)著名なマクロ経済学者にして2006年度ノーベル経済学賞受賞者であるフェルプスが、マクロ経済学の領域におけるさまざまな学派を整理し、評価する。

(2)数式の嵐に出会うのではないかとビクビクしながら読んだが、たしかにちょっと出会うものの、明快な指摘に目からウロコの連続。たとえば

新しい古典派の思考……が新しい所以は、地方的ないし非・全体的な情報を、合理的期待をともなった一般的ミクロ・マクロモデルに組み込んだことであるが、実物的景気循環モデルはその特色をまったく欠いている。典型的にはそれは、少なくとも形式的な観点からみると、本質的に単一主体経済の古典派的モデルであり、その古典派的単一主体経済は、通常の取り扱いにおいてはロビンソン・クルーソーと呼ばれる人物であり、彼は経済の観察されない部分のテータについて推測するという新しい古典派(およびケインジアン)の問題を抱えていない(116頁)

ことからわかるとおり、まったくの別物なんだよ

という感じ。しかしながら、通俗的で通説的なマクロ経済学史は

という感じだと思うのだが、うーむ、うーむ、うーむ……。