『コペルニクス革命』

トマス・クーン『コペルニクス革命』(常石敬一訳、講談社講談社学術文庫、1989、原著1957)

(1)咳がとれないので医者に行く。朝に行くと老人の患者さんばかりという、以前から個人的にも知遇を得ている近所の医者である。結構まつので、時間がつぶせそうな『コペルニクス革命』を持参して再読。血液検査をまつあいだ、なぜか病室にとおされ、ベッドで休んでまっていてくださいといわれる。診察がすみ、会計をまつあいだ、なぜかまた病室を用意される。なんという特別待遇だろうか、さすが面識があると違うな、などと考えていたが、最後になってはっと気づく。これは要するに隔離されているということじゃないか。待合室にいる別の、それも多くが老人の患者に風邪をうつされたら大変だ、というわけだ……がっくり。

(2)1962年に出版されたクーンの名著『科学革命の構造』は、じつはわりと無味乾燥な記述からなっている。それに対して、天動説から地動説への移行という、天文学におけるパラダイム・シフトを論じるケーススタディと位置付けられる(刊行の順序は逆だが)のが、この本である。円の組合せで恒星や惑星の移動をかなりの程度説明しえたプトレマイオス説がいかに否定されてゆくか、何度読んでも、しかも完全に理解しているとはとてもいえないが、面白い。