『知られざる福沢諭吉』

礫川全次『知られざる福沢諭吉』(平凡社平凡社新書、2006)

(1)福沢諭吉をなによりもまず下級武士出身の《成上がり》ととらえ、そこから彼の思想を説明しようとする書。拝金主義者で品格を欠き、しかし、おそらくはそれゆえに人を惹きつける魅力をもった福沢の姿がえがかれている。

(2)第8章「脱亜の代償」では福沢が一貫して脱亜主義者だったと主張されているが、これは平山洋福沢諭吉の真実』(文藝春秋・文春新書)の所説とまっこうからぶつかる。礫川さんが依拠している安川寿之輔『福沢諭吉の戦争論と天皇制論』を読まなければならないだろうか……でも、仙台も雪がふりはじめ、いよいよ冬なんだよなあ……寝床のなかで読むと手が冷たいんだよなあ。