『右翼と左翼』

浅羽通明『右翼と左翼』(幻冬舎幻冬舎新書、2006)
いただきもの。

(1)このご時勢にして右翼と左翼を区別する基準あるいは対立軸を求めるという大それた試みにのりだした書。両者の対立軸に歴史的に絡まりついてきたさまざまな夾雑物をとりはらい、対立軸は《革新vs.保守》であると喝破する。

(2)一旦すっきりするが、しかしただちに疑問がうまれる。

  • この対立軸と、この本でもところどころで顔を出す《現実vs.理念》の異同はなにか。
  • 世間でしばしば言及される《自由vs.平等》とか《ソーシャルvs.リベラル》とかいった対立軸は、現実社会を理解するうえで結構有益だと思うが、これらと《革新vs.保守》はどんな位置関係にあるか。
  • この対立軸で、現代社会がわかるか。

などなど。もちろんそれは浅羽さんの責任ではないのだが。

(3)とくに現代フランスをみると、たしか《右翼vs.左翼》の故地のはずなのに、なにがなんだかよくわかんなくなってくる。とくにゴーリズムってやつが……アングロサクソンリベラリズムを信奉する(と口では言っている)ニコラ・サルコジがゴーリスト、さらにはフランス右翼全体を統括することになったら、それなりにすっきりするんだろうが。