『アジア/日本』

米谷匡史『アジア/日本』(岩波書店、2006)

(1)日本におけるアジア論を俯瞰し、分析し、評価するコンパクトな大作、ついに成る。米谷さんには、10年ほど前、集中講義のために仙台におよびし、ついでに公開セミナーも開催して話を伺ったのだが、面白くも難しかったなあ。この本も、内容は《うーむ、なるほど、へー》の連発、の一言。なぜか、といえば、たぶん簡単に考えて簡単に結論を出そうとはしていないからなんだろう…ということは、つまり、これは読み手の力量が問われる本なのである。

(2)この本に登場する吉野作造も、矢内原忠雄も、尾崎秀実も、米谷さんの手にかかると、みな魅力的な思想の持ち主としてえがかれることになる。とくに東畑精一の「逆植民」論なんて、ぶっとび。