『政治と情念』

マイケル・ウォルツァー『政治と情念』(斉藤純一他訳、風行社、2006、原著2004)
いただきもの(斉藤さん、サンクス)。

謹賀新年。

(1)いわずと知れたコミュニタリアニズムの大立者ウォルツァーの最新論文集。「自発的でないアソシエーション」が事実として存在することから出発し、このことが「自発的なアソシエーション」を重視するリベラリズムの構想に対していかなる影響を与えるかを検討する。「自発的でないアソシエーション」においてこそ政治参加が進むのではないか、とか、政治には理性だけではなくて情念が必要なのではないか、とか、示唆的な指摘がてんこもり。

(2)ここからわかるとおり、本書はアルバート・ハーシュマンの所説をつよく意識しながら書かれている、ような気がする。それは良いとして、しかしハーシュマン『離脱・発言・忠誠』を

最も活力のある独立した人物が最初に集団を退出するのは確実であり、彼らが去った集団においては、異論や抗議の声、内部改革の能力は徹底的に減退するだろう。立ち去ることのできない、ないしはその意欲のない人―多くの人がそうである―は、自らが以前よりも弱い立場にあることを知るだろう。これが、いかなる良心的なアソシエーションの生活においても忠誠が中止的な価値とならなければならない理由である(126頁)

と要約するのは、これはいかがなものか。