『フランス経済学史』

御崎加代子『フランス経済学史』(昭和堂、2006)

(1)ケネーから、セー、サンシモン、デュピュイ、クルノーを経てワルラスにいたるフランス経済学の特徴を「組織された自由競争」に見出し、この観点からフランス経済学の歴史を統一的&整合的に解説しようとする野心的な試みの産物。

(2)かつて御崎さんのワルラス研究には色々と教えられたものだが、今回も、さまざまな意味における視野の広さが光る。また「組織された自由競争」(あるいは「自由競争の組織化」)という観点は、先ごろ読んだ権上康男編『新自由主義と現代資本主義』のアーギュメントに連接しうるものとして、とても大切だと思う。ただし、個々の経済学者における「組織された自由競争」という観点の存否については、ワルラスについてよくわかるものの、他の経済学者についてはちょっと読みとりがたいのだが……ともあれ窓の外の嵐が気になる三連休。