『ハイエクの政治思想』

山中優『ハイエクの政治思想』(勁草書房、2007)
いただきもの(徳田さん、またもサンクス)。
おすすめ。

(1)地味なタイトル、地味な装丁、地味なテーマ……ではあるが、しかし、これは多くの社会科学者にとって必読の一冊になることであらう(根拠レス)。

(2)ハイエクは《情報伝達と知識創造の場としての市場、不確実性・限定合理性・不完全情報の仮定のもとに意思決定をおこなう存在としての人間》という市場・人間観から、社会主義経済学と一般均衡論を批判した。しかし、こんな人間が、こんな市場メカニズムを好む、なんてことがありうるのか……。この、いわれてみればきわめてまっとうな疑問から、《市場メカニズム万歳の元祖ネオリベ》という素人筋のハイエク・イメージと、そして《さまざまな矛盾をはらんだ思想家》という玄人筋のハイエク・イメージを、ともに覆し、彼の政治思想を総体的に捉えようとする野心的な一冊。ぼくが知らなかっただけかもしれないが、目からウロコ読書の日曜日。