『ゲーム的リアリズムの誕生』

東浩紀ゲーム的リアリズムの誕生』(講談社講談社現代新書、2007)
こりゃ、どえりゃ〜面白ぉていかんわ!!

(1)『動物化するポストモダン』の続編は、一段とパワーアップした330ページ。ライトノベル美少女ゲームを主要題材に、「まんが・アニメ的リアリズムvs.ゲーム的リアリズム」、「現実vs.想像」、「プレーヤーvs.キャラクター」、「コンテンツvs.コミュニケーション」、あるいは「想像力環境vs.メディア環境」といった対立軸を組合せつつ、ポストモダン時代の日本における芸術のあり方を縦横無尽に解きほぐす。山形の高校に出前授業に向かう冬の仙山線の車内で『動物化するポストモダン』を一気に読みきってから6年、長いあいだ待った甲斐があったというものである。

(2)ぼくは(自慢じゃないが)ライトノベルは読んだことないし、美少女ゲームはプレイしたことがない。それでも、ゼミなんぞで学生諸君と話していると、彼・彼女たちの(この本で言う)ポストモダン的な心性をかんじとることがある。それらを忖度して、この本のアーギュメントは「こりゃ、どえりゃ〜面白ぉていかんわ!!」となるわけである。
ちなみに、去年のぼくのゼミには「ライトノベルのコンテンツ分析」で卒業論文を書いた学生がいた。どこが経済学部なのかというツッコミは措いておき、たしかスニーカー文庫を数百冊(だっけ、大悟くん?)読んでコンテンツをデータベース化し、それらを分類・分析するという、まさに体力勝負にして入魂にして趣味と実益を兼ねた一作。こんなこと誰も考えつかないだろうからオリジナリティはあると思うんだが、だれか使ってくれないだろうか……って、なにに?