『国家は僕らをまもらない』

田村理『国家は僕らをまもらない』(朝日新聞社朝日新書、2007)
いただきもの。
おすすめ。

(1)すぐれたフランス憲法史研究者の田村さんが、その資質(?)を存分に生かし、パタリロやドリカムやキムタクやゆずやイチローやサザンやDr.スランプに託して立憲主義の重要性を語る一冊。本人曰く「トンデモ本」だそうだが、

  • 憲法の条文にしか立憲主義が存在しない社会においては、クラシックな憲法観こそ必要だ(17ページ)
  • それでもなお統治の土台を支えている国民国家と民主主義が、立憲主義にとって不可欠の要素として機能するためには何が必要か(20ページ)
  • カジュアルにすることと質を下げることは別問題だ(21ページ)
  • 間接適用説……正直、僕にはよく理解できない(61-2ページ)

などなど、「つかえる」フレーズがてんこ盛り。ぼくもドリカムが好きです、田村さん!!

(2)この本のかくれた狂言回しをつとめているのは樋口陽一さんだが、そういえばかつて「樋口・杉原論争」というのがあった。立憲主義の文脈であの論争を再評価すると、一体どんなことになるんだろうか。