『MBAのための日本経営史』

鈴木良隆他『MBAのための日本経営史』(有斐閣、2007)
いただきもの。

(1)一橋大学MBAコースにおける日本経営史のテクストブック。なんといっても読みどころは第1章と第9章。この両章(とくに第9章)で基本的なアーギュメントが提示され、それを他の章が叙述的に補完するという構成になっている……ような気がしないわけでもない、というか、なんというか。

(2)んで、この本の基本的なアーギュメントとは

  • 取引費用論を援用すると、チャンドラーを批判できる(第1章)
  • 企業の組織形態は「ヒト、モノ、カネのうち、おもに何を内部化するか」によって規定される(第1章)
  • この観点からすると「アメリカ企業はモノ、日本企業はヒト、ヨーロッパ企業はカネを、おのおの内部化する」と分類できるという仮説が導出できる(第9章)
  • ただし、統計的に分析すると、じつはそんな簡単ではない(第9章)

という感じになるだろうか。うーむ、うまくまとめられない。ぜひ、鈴木さんの幻のディスカッションペーパー「現代企業の目標と行動様式」(1996)を改稿した第9章で展開される、すさまじく独創的でアクロバティックで華麗な議論をご覧あれ。