日本西洋史学会

(1)週末に新潟(朱鷺メッセ)で日本西洋史学会があり、参加した。同じ会場で同時に荒川静香スケートショーが開催されており、そちらに行きたかった……というのは措いておき、川崎さんと高橋さんが就職したことを知り、すでに就職したことを聞いていた前田さんとあわせてフランス近現代史学界の若手の皆さんが着々とキャリアを積んでおられることをうれしく思ったわたくしは、たしかちょっと前まで「若手のホープ」と呼ばれていたような気がする(今は?)不肖小田中である。とにもかくにもレセプションでは生まれてはじめて「越の寒梅」を飲む機会を得たし、夜は2晩続けて新潟駅前で留学時の旧友たち(順不同で正本さん、松本さん、和田さん、佐々木さん、岡部くん、小林さん、中山くん、剣持さん、長井さん、その他)とも旧交を温められたし、ぼくにとっては有意義な学会となった。

(2)ちなみにレセプションその他の場では、件の「批判的転回以後のフランス歴史学」企画の執筆を、予定している3人の方に直接お願いすることができ、しかも基本的に前向きの返事を頂いた。これまたうれしいことである。どうぞよろしく!!

(3)もちろん学会参加のメインイベントは報告を聞くことであるが、今回は次の2本が印象に残った。

  • 瓜生洋一「腕木信号機が伝達したこと」:腕木信号機(19世紀半ばまでフランスで利用されていた暗号通信法)をもちいてフランス革命期にパリとリールのあいだでなされた通信の記録のうち一部未解読だった暗号を解読することに成功したという、おそるべき報告。いやあ、こんな研究ができたら、歴史学者冥利に尽きるだろうなあ。
  • 田中拓道「フランス共和主義と社会問題」:「社会的なるもの」の成立、発見、変貌、対応のなかにフランス型福祉国家の歴史を見出すという、じつにシャープな報告。好著『貧困と共和国』の著者・田中さん、さすがである。

こういった興味深い報告を聞くと、頭をリフレッシュできる。その意味でも、この学会は(少なくともぼくにとっては)一種の「祭り」なのかもしれない。