南川高志編『知と学びのヨーロッパ史』(ミネルヴァ書房、2007)
いただきもの(南川さん、サンクス)。
(1)教養、人文社会科学、人文学、そして歴史学が危機にあるという時代認識をもとに、「そもそも教養とはなにか」という設問とともにヨーロッパ史をさかのぼった共同研究の産物。
- ロシアでは、古代ギリシア的「知」と古代ローマ的「知」は相対立する側面をもつと考えられていた
- ヨーロッパ的「知」の歴史にとっては、ルネサンスよりはアリストテレスの「発見」のほうが大切だ
- 実証主義史学と歴史主義とロマン主義の関係は、めちゃくちゃ複雑なものである
といった、目からウロコの指摘がてんこ盛りなのは、もちろんぼくが無知だからである。
(2)それにしても、「大学」にせよ「人文社会科学、人文学、歴史学」にせよ、それらはこの日本においてもふかくヨーロッパ的「知」の痕跡を残している。したがって、教養の再構築をはかるべくヨーロッパ史をさかのぼるとは、ぼくらにとっては自己省察的reflexiveな、したがってアクチュアルな作業にほかならない。