『理性ある人びと・力ある言葉』

ローラ・ハイン『理性ある人びと・力ある言葉』(大島みどり訳、岩波書店、2007、原著2004)
おすすめ(だが、5700円+税は、ちょっと……)

(1)とにかく暑い。すっかり疲れてはてて帰宅し、家族が(帰省中ゆえ)いない静かな家で、大内兵衛とその弟子たち(大森義太郎、脇村義太郎、有沢広巳、美濃部亮吉高橋正雄)からなる「大内グループ」の歴史をたどるこの本を読む。

(2)大内といえば、ぼくだったら、労農派マルクス主義の大立者であり、平賀粛学を頂点とする東京帝大経済学部内紛の当事者であり……という論じ方をすることだろう。ところが、ハインさんは、ぼくがみるところ

という2つの概念をキーワードをもちいて、彼らの軌跡をたどる。その手並みはじつに鮮やかであり、ちょっと大内たちに甘いという気はするが、この辺の「距離感」がアメリカ的なんだよなあ。