Pour une histoire politique

Remond, R., ed., Pour une histoire politique (Paris : Seuil, 1996, first edition, 1988)

(1)あっという間にというか、ようやくというか、夏休みが終わった。夏休み後半のお供は、フランス政治史学界の重鎮ルネ・レモンの古希記念論文集。1980年代までのフランス政治史研究の研究史を、「選挙」、「世論」、あるいは「政党」といったテーマ別に、第一線の政治史学者たちが概観するという、じつに便利な一冊である。なかでも「政治思想」をめくるミシェル・ヴィノックの整理が鋭利で、うならせられる。

(2)ちなみに、この本で「政党」を論じているのはセルジュ・ベルスタン。ぼくは、大学院生時代に彼の博士論文『急進党史』を読んで感心し、フランス政府給費留学生試験を受験したときは希望指導教員を彼にした。どういう風のふきまわしか筆記試験を通過して口頭試問に進んだのだが、そういえば口頭試問委員のひとりは今は亡き二宮宏之さんだった。「指導教員はだれにお願いする予定ですか」と聞かれて「セルジュ・ベルスタンです」とこたえたことを、なつかしく思い出す。結局この年は口頭試問で落ちてフランス行きは1年延びてしまったのだが、あのとき合格してベルスタンのもとで勉強していたら、ぼくのキャリアはいまごろどうなっていたのだろうか。