『神の法vs.人の法』

内藤正典他『神の法vs.人の法』(日本評論社、2007)
おすすめ。

(1)フランスを騒がせたかの「スカーフ事件」を切り口に、政教分離の意味と意義を法学者と社会学者が検討する書。第一部では、法学者たちが政教分離を法学的に緻密に分析していて、問題点の整理に有益である。でも、読んでくと「んで、どーすりゃいいのさ?」という気になってくところが、じつに悩ましい。

(2)第二部では、社会学者たちが、トルコ、ベルギー、ドイツにおける「スカーフ問題」を紹介しつつ論じている。イスラームひいては「他者」との付き合い方を考える際には地理的歴史的に広い視野に立つべきであるということを教えてくれて、じつに示唆的である。