『原初的ファシズムの誕生』

藤岡寛己『原初的ファシズムの誕生』(御茶の水書房、2007)

(1)ムソリーニに率いられ、イタリア・ファシズムを担った団体「イタリア戦闘ファッショ」の成立に至るプロセスを丁寧に追った書。ただし、この本は序文でみずからのスタンスとして

たとえばわが国でもファシズムを思想・運動・体制の三つに区分し、それぞれの緻密な分析によってその全体像を描くという研究方法がひところ盛んだった。しかし、ここではそうした手法をもとに問題設定して何らかの明示的な見解を導きだすというやり方をとらないし、また……現在では流行となりつつある象徴政治論的あるいは表象文化論的な接近方法を選ぶものではない。ここで抽出しようと試みるのは、誕生する瞬間のファシズム組織……が、いかなる契機で発生したか、そして発生時、その後に成育史増殖するための思想上・運動上の培養基あるいは培養液が何であったかであり、そしてそのためのアプローチとして、いわば旧来の実証的手法を用いたにすぎない(15-6頁)

なるものを提示しているが、この文は正直意味不明である。