『海域イスラーム社会の歴史』

早瀬晋三『海域イスラーム社会の歴史』(岩波書店、2003)

(1)《アジア経済研究》関連読書その4は、フィリピン南部からインドネシア東部に至る「海域イスラーム社会」の歴史を歴史学の方法論をもちいて描き出そうとする一冊。知識を欠く身であるがゆえにひたすら勉強になったとしかいいようがないが、地域研究(フィールドワーク、京都大学東南アジア研究センター、鶴見良行)と歴史研究(「文献史学」)を対置し、前者を批判することによって後者の意義を確立しようとする「はしがき」にどことなく違和感を感じるのはなぜか?

(2)こんな早瀬さんのスタンスの背景には、もしかして

口伝史料は、文献史料を補うものでもなければ比較の対象でもなく、海域世界の論理そのものを理解するために不可欠のものとして、文献史料とは違った次元の重要性をもつ(73頁)

という史料論があるのだろうか? 
うーむ……わからない。

【追記】
夏休みの宿題を(たいした量ではないが)どうにか片付けた余勢をかって、昨日、何年かぶりに研究室の掃除と本の移動をすませた。そして、これを機会に、最初の公刊論文(1988)以来たまっていた資料ファイルを「えいやっ」と廃棄した。ファイルの中味を十分確認しなかったが、大丈夫だろうか……と、今になって若干心配である。まぁとにもかくにも、これで次のしごと『どうしてぼくらは選挙に行かなきゃならないんですか?』(仮題)にとりかかる準備ができた。あとは当然「やる気」だけである。もっともこれがなぁ……。