『学力を育てる』

志水宏吉『学力を育てる』(岩波書店岩波新書、2005)
おすすめ……って、いまごろ?

(1)東大を辞めて大阪に戻った教育社会学者・志水さんが、「人種や階層的背景による学力格差を克服している学校」たる「効果のある学校」のヒミツを探るべく、大阪の「効果のある学校」2校を参与観察した成果。そこではセーフティネット/社会的関係資本の重要性に十分目配りした集団的な学習メカニズムが計画的・意図的に設計され、機能している、という。それ以外にも「学力」について多角的な考察がなされており、新書とは思えない充実した一冊である。娘の小学校のPTA副会長としては(?)ひたすら勉強になった。

(2)ちなみに、日本の学校集団主義的な伝統に対する評価という観点から、原武史『滝山コミューン』と比較して読むと面白いだろう。ちなみに、個人的には、原さんよりは志水さんの所説のほうに親近感を覚えるのだが……。