『複雑適応系における熱帯林の再生』

関良基『複雑適応系における熱帯林の再生』(御茶の水書房、2006)
おすすめ。

(1)誤って窓を開けたままで寝たら、速攻で風邪である……って、当たり前だって。
さて、なぜ購入したかよく覚えていないのだが、フィリピンで導入されている《コミュニティを基盤とする、採取林業から育成林業への転換》という政策の成功条件を探るべく進められた、理論的な分析とフィールドワークの成果を、布団のなかで読む。プリゴジンとか適応戦略とかミームとか、色々なタームが(もちろん著者の関さんは意図的に採用しているわけだが)頻出して若干面食らうが、要するにこれは

  • オープンアクセスにおける採取林業という持続不可能な状態=非パレート効率的なナッシュ均衡から、コミュニティをベースとするコモンズにおける育成林業という持続可能な状態=パレート効率的なナッシュ均衡への移行は、いかにして実現しうるか

という難問にとりくんだ苦闘のあとなのだ!! (多分) しかも、フィリピンの一部地域ではこの移行が実現されつつあるというのだから、そりゃ調べにゃならんだろう。
そんなわけで、こりゃべらぼーにおもしろーていかんわ!!

(2)とにかく

  • コモンズの《成立》の問題を考える際には「弱者生存権」の考察が不可欠である
  • オープンアクセスとコモンズは違うことを再度確認しよう
  • フィリピンでは、コモンズの再構築(community based forest management)が、実際に政策として展開されている

とか、興味深い情報がてんこ盛りなので、5700円+税でも高くない、かな?